研究活動トピックス
総合政策学部 山旗 張星允 教授が科学研究費助成事業 基盤研究(B)に採択
総合政策学部
総合政策学部の山旗張星允教授および竹田真紀子准教授による共同研究「Z世代主導の政治変革:ミャンマーのPeople Power革命の推進と反軍結束の分析」が、2025年度科学研究費助成事業(科研費)基盤研究(B)に採択されました。
山旗教授は長年にわたり、ミャンマーの政治変動や市民社会の発展を中心に研究を進めており、その研究歴は30年を超えます。2014年からは竹田准教授と連携し、より複層的かつ実践的な視点からミャンマー社会の動態に迫る研究を展開してきました。
本研究は、2021年のクーデター以降、軍事政権に対抗して続く市民による民主化運動に注目し、特にその中核を担うZ世代の若者たち、1988年の民主化運動を経験した「88世代」、そしてタイなど国外に暮らすディアスポラ(難民・移民コミュニティ)に焦点を当てています。こうした多世代・多地域にわたる市民がどのように連帯し、持続的な民主化運動を可能にしているのかを、文献調査および現地・オンラインでのインタビュー調査を通じて実証的に明らかにしていきます。
ミャンマーは、植民地期以来の民族的亀裂が政治的統合を妨げてきた歴史を持ち、これまでに繰り返された民主化の試みも、その多くが軍政によって短期に弾圧されてきました。しかし、今回の抵抗運動は従来とは異なり、4年以上にわたり幅広い層の国民が団結し、国軍を追い詰める構図が現出しています。こうした例は国際的にも非常に珍しく、Z世代を中心とする市民の結束によって独裁体制の打破を目指す点において、グローバルな文脈でも注目すべき事例です。本研究は、ミャンマーの特殊な政治・社会的文脈に根ざした実態解明を通じて、国際社会においても応用可能な民主化への新たなアプローチを提起することを目的としています。とりわけ、外部からの介入に依存せず、国内外の市民の連帯によって体制変革を目指すというモデルが持つ可能性に光を当て、新たな民主化のアプローチを示唆する知見を提供することが期待されています。
助成金名 | 科学研究費助成事業(科研費) 基盤研究(B) |
研究課題名 | Z世代主導の政治変革:ミャンマーのPeople Power革命の推進と反軍結束の分析 |
研究代表者 | 山旗 張星允(愛知学院大学 総合政策学部 教授) |
採択金額 | 13,650千円(直接経費10,500千円、間接経費3,150千円) |
研究期間 | 2025年度~2028年度 |
課題詳細 | 科学研究費助成事業データベース KAKEN |