1. 03|保健
  1. ライフサイエンス

嫌いだった⾷べ物を好きになる脳のメカニズム解明

豊田 博紀

TOYODA Hiroki

職位
教授
所属
歯学部 生理学講座
分野
  1. ライフサイエンス

リサーチマップ
https://researchmap.jp/read0210128
業績プロ
https://agur1.acoffice.biz/aiguhp/KgApp/k02/syozoku/27002014

ヒトや動物においては、⾷後に腹痛や下痢などの体調不良を経験すると、直前に摂取した⾷べ物の味に対して嫌悪を獲得する学習が生じます。例えば、⽣がきにあたってしまうと、その後、かきが⾷べられなくなります。しかし、味覚嫌悪学習によって嫌いになった⾷べ物を、再び⾷べることができるようになることがあります。その仕組みとしては、獲得した嫌な⾷記憶を消去する神経活動が⽣じるためと考えられていますが、どのような脳メカニズムで⽣じるのかは明らかではありません。学習や記憶といった脳の機能は、関連する脳領域におけるシナプス伝達の可塑的な変化(シナプス可塑性)を伴っています。味覚嫌悪学習においては、扁桃体や島皮質におけるシナプス伝達の可塑的な変化が深く関わっていると考えられていますが、そのシナプス可塑性の制御機構については、まだよくわかっていません。そこで、本研究では、マウスの扁桃体や島皮質におけるシナプス可塑性の制御メカニズムを検討しています。

特許・著書・論文情報

Toyoda, H. (2020). CB1 cannabinoid receptor-mediated plasticity of GABAergic synapses in the mouse insular cortex. Sci Rep, 10(1):7187.

アピールポイント(長所・差別化ポイント)

本研究により、味覚嫌悪記憶の消去に関わる脳メカニズムの理解が進み、さらには、味覚学習の包括的理解に⼤きく貢献することが期待されます。今後、⾷を通じた⼦供の健全育成や⾷習慣に起因する成⼈病予防などの応⽤研究への進展が期待されます。

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