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  1. 人文・社会

山岳信仰、日本の民俗宗教、宗教とジェンダー

小林 奈央子

KOBAYASHI Naoko

職位
教授
所属
文学部 宗教文化学科
分野
  1. 人文・社会

キーワード
山岳信仰,日本の民俗宗教,宗教とジェンダー
研究室
https://aigakusyukyo.hatenablog.com/
リサーチマップ
https://researchmap.jp/read0155209
業績プロ
https://agur1.acoffice.biz/aiguhp/KgApp/k03/resid/S000441

① 山岳信仰
長野県と岐阜県にまたがる木曽御嶽山(標高3,067m)を霊山として崇拝し、信仰する人びとの習俗について、長年にわたり研究しています。御嶽信仰には、神仏への信仰をはじめ、密教や道教、憑霊儀礼である「御座(おざ)」、神霊の依り代となる霊神碑、行者の習俗など、宗教に関する多様な要素が含まれています。また、主たる修行地(霊山)を定めながらも、さまざまな霊山で修行する、流動性を有する山岳修行者を研究することで、他の霊山の信仰についても学ぶことができます。すなわち、木曽御嶽山という1つの霊山をめぐる信仰を研究するだけで、幅広い宗教的知識を身につけることが可能なのです。
 
② 日本の民俗宗教
御嶽講における行者もその一例ですが、日本には、宗教活動を専業としない民間の宗教者によって担われている宗教行事が数多く存在します。たとえば、地域の祭礼での神事や神楽の奉納、土木・建築工事の安全を祈願して行われる地鎮祭などには、そうした民間宗教者がしばしば関与しています。東海地方に広く見られる火渡りや「弘法さん」といった民俗行事も同様であり、地域の風土や風習に目を向けながら観察することで、興味深い類似点や相違点に気づくことができます。
 
③ 宗教とジェンダー
宗教は神など人間を超えた存在を規定し、しばしばその存在との間に封建的・支配的な関係を結びます。そしてその存在が実社会の家父長制と結びつき、「父なる神」のように男性として認識されると「教えを説く側は男性、教えを受ける側は女性」といった序列も生みました。一方で女性は出産にかかわる性であることから、母性が強調されたり、「聖母」として崇拝の対象になったりすることもありました。また、多くの宗教が人間の性を男/女という二元的なものに限定していることによって、多様な性の在り方は否定される傾向があります。こうした問題意識をふまえて、宗教とジェンダーの関係について研究を進めています。

特許・著書・論文情報

最近の研究 共著:『講研究の可能性Ⅴ』(慶友社、2025)、『基礎ゼミ 宗教学』(世界思想社、2024)、『次世代創造に挑む宗教青年—地域振興と信仰継承をめぐって』(ナカニシヤ出版、2023)、『人のつながりの歴史・民俗・宗教―「講」の文化論―』(八千代出版、2022)、『響き合うフィールド, 躍動する世界』(刀水書房、2020)、『幽霊の歴史文化学』(思文閣出版、2019)など  単著:「尾張の御嶽講・高針心願講の歴史と現在」『愛知学院大学文学部紀要』(51),306-312(2022)、「民俗宗教研究におけるジェンダー視点の必要性-女性行者を中心に-」『宗教研究』93(2),57-78(2019)など

アピールポイント(長所・差別化ポイント)

「宗教学」というとなんだか難しそう、あるいはなんだか怪しげというようなイメージがあるかもしれませんが、寺社巡りや御朱印集め、神話や占い、妖怪などに興味を持つ人はたくさんいると思います。そうした宗教にかかわる身近なものを入り口としながら宗教や宗教にかかわる事象について研究しています。

得意な技術・提供できる技術

東海地方を中心とする民俗宗教についての講義、フィールドワークの引率

必要な技術・希望する連携

地域の文化を生かした地域振興、地域文化の保存と継承

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