自然科学一般
3次元画像解析技術および組織学的手法による歯の構造および形態形成の解明

加藤 彰子
KATO Akiko
- 職位
- 講師
- 所属
- 歯学部 口腔解剖学講座
- 分野
-
自然科学一般
私は歯の構造と成長を研究しています。歯は、胎生期から歯冠・歯根が完成するまでの過程において、生命の歴史を正確に記録する特別な器官です。この歯に刻まれた情報を紐解くことで、生命の仕組みやその変化を科学的に解明することを目指しています。
また、私の研究は、歯の成長や構造を理解するだけでなく、それを応用して安全で効果的な歯科医療の基盤を築くことを目標としています。歯科医療における安心と信頼を支えるため、基礎研究から臨床への橋渡しとなる知見を提供することに力を注いでいます。
下記に2つの研究を紹介します。
マカク属の⾅⻭のエナメル質の厚さに関する研究
本研究の目的は、マカク属6種の臼歯のエナメル質の厚さを調査し、その違いが生息環境や食性とどのように関係しているかを明らかにすることです。その結果、ニホンザルのような温帯(寒暖差のある地域)に生息するマカク属は、カニクイザルを代表とする熱帯(高温地域)のマカク属に比べ、エナメル質が厚いことが判明しました。これは、寒冷な冬季に食料が乏しくなる環境への適応の一つであると考えられます。つまり厚いエナメル質は、木の皮や木の実などの硬い食物を摂取する際の摩耗を防ぐための進化的適応である可能性が示唆されました。
本研究は、京都大学霊長類研究所(現:ヒト行動進化研究センター)の共同利用・共同研究として実施されました。

⻭周病で失われた⾅⻭にみられる「セメント質肥⼤症」の研究
セメント質は⻭根を覆う硬組織で、⻭を⾻に固定する役割を果たしています。本研究の目的は、セメント質が異常に厚くなる「セメント質肥⼤症」がみられる上顎の第⼆⼤⾅⻭を詳しく調べ、その構造や成分について理解を深めることです。本研究では、肥大したセメント質のカルシウムの分布や組織学的な構造を詳細に調べることにより新たな知見が得られました。

アピールポイント(長所・差別化ポイント)
私は歯という小さな器官を通じて、生命の謎に迫り、医療の発展に貢献する研究を行っています。
得意な技術・提供できる技術
三次元画像解析、硬組織の薄切標本作成
研究シーズ 一覧に戻る