人文・社会
オランダの金融機関におけるサステナブル・ファイナンスの取組み
.jpg)
橋本 理博
HASHIMOTO Masahiro
- 職位
- 准教授
- 所属
- 商学部 商学科
- 分野
-
人文・社会
オランダには、ESG金融に特化した環境銀行が存在しており、投融資先の経済活動が環境や社会にもたらす影響(インパクト)を考慮した金融を行っています。私は、オランダの金融機関によるサステナブル・ファイナンスの取組みを調査することを研究テーマの1つとしています。
オランダの環境銀行の中でも、注目されるのがASN銀行です。同行は、「気候変動」、「生物多様性」、「人権」を持続可能社会の実現に向けた柱に掲げ、環境保全や社会正義の実現を目指した投融資活動を行っています。なかでも、生物多様性(の喪失)は、気候問題に匹敵するか地球環境問題と言われながら、気候問題に比べて対応は進んでいない状況です。その中で、ASN銀行は金融機関による投融資が生物多様性に及ぼす影響を測定する手法を開発するなど、この分野で先駆的な取組みを行ってきたという特徴を持ちます。
今後、企業や金融機関は環境や社会に配慮した経済活動をさらに推し進めることが求められていくと予想されます。そのようなとき、オランダの金融機関による取り組みは、我々が何をすべきかを教えてくれる一つの指標になると考えられます。
特許・著書・論文情報
・橋本理博(2025)「オランダのASN銀行によるサステナブル・ファイナンスの取組み」、蓮見雄、高屋定美編『カーボンニュートラルの夢と現実-欧州グリーンディールの成果と課題』、文眞堂、所収。
・橋本理博(2024)「ASN銀行の投融資におけるサステナビリティ方針の概要」、家森信善編『未来を拓くESG地域金融 : 持続可能な地域社会への挑戦』、神戸大学出版会、所収。
・橋本理博(2024)「オランダの金融機関における生物多様性の保全に向けた取り組み―金融機関による投融資が環境に与える影響の可視化」『大銀協フォーラム研究助成論文集』第28号。
アピールポイント(長所・差別化ポイント)
本研究では、オランダの環境銀行、なかでも環境配慮の徹底ぶりが注目されるASN銀行の、投融資判断の基準や投融資が環境に与える影響の測定方法に着目して、その特徴を明らかにしています。
研究シーズ 一覧に戻る